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Vol.7「気がつけばフクコ Part4 トイレ物語」

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トイレに間に合わなくなった祖母を、昼間は頃あいを見てトイレに誘うことにしました。
ここで役に立ったのはトイレ側面のL型手すり。もともとは和式トイレだったのですが、家を建て替えたときに、親世帯が使用する1階トイレには取り付けておいたのです。
手すりを設置するためには、壁の補強が必要です。特にトイレや浴室といった、身体の上下移動を補助する為の手すりの取り付けに関しては、全体重がかかることを考慮して、壁下地の補強やしっかりとした留め付けが必要です。値段は上がってしまいますが、後から設置するよりはいいだろうとあらかじめつけておいて正解でした。
祖母は必ずつかまっていましたし、まだ小さかった子供達もトイレに座る時にはこの手すりを使っていましたから。

高齢者を意識して取り付けたこの手すりは結局のところ、子供達にとっても必要で、便利なものであったのです。

夜間は、祖母の部屋のベッドサイドにポータブルトイレを置いて使用しました。冬の夜に、寒い廊下を通って寒いトイレに行くのはやはり心臓の負担になります。

では、おむつは?介護する側からすれば、夜中に何度も様子を見に行って、トイレの介助をするのは大変なことでしたが、オムツは本人にとっても不快ですし、介護者にとってもおとなのオムツを交換するのは大変で、経済的でもありません。そして何より、介助が必要であるにせよ、トイレで用を足すことができる、ということが大切なのです。


私の祖父は私が高校生のときに、老衰で寝たきりになり自宅で看取りました。
祖父は立ち上がれなくなってからも、這って自力でトイレに行きました。トイレにいくことができなくなってからも、オムツは使わず、母を呼んで、尿瓶などで用を足していました。ある日、私が高校から帰ってくると、祖父が母を呼ぶ声がします。おしっこがしたかったようなのですが、あいにく母はおらず、私がふとんに尿瓶を差し入れようとすると、「さっちゃんはしなくていいから」と言いました。かわいい孫に、特に年頃の異性の孫に下の世話はさせたくなかったのでしょう。
そして祖父は、細くなった食に加え、水分も自ら控えるようになってしまったのです。あの頃の我が家は、古い日本家屋で、家の中に段差が多く、祖父の部屋からトイレまで遠かったのです。もっと早く、建て替えていればもう少し…と思いますが、祖父が自分で建てた家でしたから、きっと大好きだったと思うのですよ。後になってみなければわからない、住んでいる人には見えない、住んでいる人にしかわからない、そんなことが「家」にはいっぱいあるのです。

2005年10月01日 14:02

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