●前回のふりかえり----
これまで、赤い染料と青い染料の藍に由来する色名をご紹介しました。
とくに茜と藍は、最古の植物染料で、日本人にも馴染み深いものだったのです。
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その他に、植物は、薬としても用いられていましたから、合成染料ができるまでは、薬屋と染め物屋は一緒だったそうです。
赤、青、とくれば、そう、今回は、黄色の染料に由来する色名です!
この3色があれば、あらゆる色を染め出すことができるのです。
刈安色(かりやすいろ)
イネ科の植物カリヤス(刈安)で染めた、うすい緑みの黄。
カリヤスは、近畿・中部地方に自生する、ススキに似た草です。これを
細かく刻み、煎じた汁で染めます。刈安とは、「刈り安い」から付けたとのことです。刈安で染めた色に、深黄(こきき)、浅黄(うすき)がありますが、衣服令「延喜式」には、序列の最後に取り上げられていますから、黄色は、あまり重用はされていなかったようですね。
支子・梔子(くちなし)
アカネ科の常緑低木クチナシの実で染めた、濃い黄色。
古い記述には、梔子のことを「支子」と書かれています。
梔子の実は、熟しても果皮がさけないので、口を開かない「くちなし」(口無し)という名前になったといいます。
栗きんとんなどの食品色素にもよく使われています。
支子と紅で染めた濃い黄赤を「黄丹」(おうに)と呼び、皇太子の礼服に用い、禁色として定めました。
* 禁色とは、定められた位階以上の位の色は、着てはならないというものです。
鬱金色(うこんいろ)
ショウガ科の多年草・ウコンの根茎で染めた、鮮やかな濃い黄色。
媒染剤によって、「黄丹」や「山吹色」になります。
ウコンは、染料のほか、香料、薬用として使われます。
香色(こういろ)
香料となる丁字など香木の煎汁で染めた色の総称。やわらかい黄色。
香色は、平安貴族に好まれていた色です。着物の色の組み合わせや、香りによる演出に心を砕いていた貴族文化がしのばれます。
また、仏教的な尊重もされ、僧衣の色に用いられました。
黄檗色(きはだいろ)
キハダ(黄檗)の樹皮で染めた明るい黄緑。
主に、藍との併用で、緑や青緑などを染めるのに用いられていました。黄檗は薬用でもあり、黄檗で染めた色紙は虫がつかない、という実用的な面が珍重されたようです。
参考文献
『色の手帖』監修 永田泰弘(小学館)
『色の名前』福田邦夫 著 (主婦の友社)




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