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☆ はじめての色彩レッスン その10〜色の名前(5)

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●前回のふりかえり----
赤、青、黄と、染料にちなんだ色の名前をお話してきました。
これら3色を掛け合わせることで、さまざまな色が生まれたわけですね。

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それでは、今回は、人の名にちなんだ色名のお話です。
江戸時代、庶民の娯楽であった歌舞伎役者にちなんだ色を着用して楽しむのが流行しました。
もともと庶民には真っ赤な色などを着用することは禁止されていましたが、茶色や鼠色は問題なく、
役者名をつけるという、遊び心は憎いですね。

團十郎茶(団十郎茶)(だんじゅうろうちゃ)
「團十郎」とは、歌舞伎役者の市川團十郎のことです。
歌舞伎をご存知なくとも、伊藤園「おーい、お茶」のCMに出演している、市川海老蔵さんといえば、
ご存知でしょうか?今は、海老蔵さんのお父様が、十二代目「團十郎」を襲名なさっています。
團十郎茶は、もとは柿色といわれる赤みの茶色。
市川家の紋は、柿色に、三つの升を重ねた「三升」を白抜きに染め抜いたものです。
歌舞伎十八番「暫」(しばらく)の名場面で、主人公・かまくらごんごろうかげまさ鎌倉権五郎景政が、
この團十郎茶の大ぶりな衣装で立ち回ります。五代目團十郎の人気とあいまって、
その名がつけられた、というわけです。
「暫」は、初心者にも楽しめる演目ですから、まだ観たことがない方には、おすすめですよ。

歌舞伎十八番 成田屋「暫」
http://www.naritaya.jp/learn/18/01shibaraku.html

路考茶(ろこうちゃ)
同じく、歌舞伎役者の名前です。
「路考」とは、瀬川菊之丞の俳名で、通称にもしていたものです。
初代に続いて、二代菊之丞は、当時の人気最高の女形で、その髪型は路考髷(まげ)、
櫛は路考櫛、帯は路考結(むすび)、そして、染物においては、「路考茶」と呼んだというのですから、
すごい人気ぶりですよね。しかも32歳という若さで亡くなったということで、
ますます伝説の人なわけです。
「路考茶」は、路考が八百屋お七の下女・お杉の役で着用した衣装の色から流行した、
緑みの茶色です。地味な色なのに、さすが、当代きっての名女形、なんとも粋に見えたことでしょうね!

利休鼠(りきゅうねずみ)
利休は、言わずと知れた、桃山時代の茶人です。
利休といえば、茶葉を連想させるため、緑みの灰色に利休の名をつけました。
江戸時代から風流を好む人たちに好まれたようです。
北原白秋の「城ヶ島の雨」の一説に「利休鼠の雨が降る」とうたい、有名な色名です。
利休自身が好んだ、というわけではなく、人々の連想から生まれた色であるのが特徴的ですね。


渋い色ばかり紹介したので、海外から、可愛らしい貴婦人にちなんだ色を一つ、紹介しましょう。

ローズ・ポンパドール(ポンパドールピンク)
ポンパドールとは、フランス国王ルイ15世の愛妾の名前。
当時の貴族の女性がこぞって競ったという、髪を高く結い上げたヘアスタイルをポンパドール
というように、ロココ王朝のトレンドリーダーでもありました。
本名ジャンヌ・アントワネットは、貴族出身ではなかったけれど、その美貌で国王のお目にとまり、
公式の愛妾となったのです。
ポンパドール夫人は、文化芸術の保護、発展に力を注ぎ、陶器がお好きで、
王立のセーブル窯誕生にも大いに関与しています。
残念ながら、病弱で43歳の若さで亡くなっていますが、彼女が好んだピンク色は、
ローズ・ポンパドール(ポンパドールピンク)として、その名を残しています。

2005年10月25日 11:22

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