去る3月17日、ある記事が目にとまりました。
千代田区の住民代表が、イタリア文化会館の赤い壁の色の塗り替えを求めて、
石原東京都知事に陳情書を提出し、これを受けて都では景観保全を目的とした色彩の具体的な
ガイドライン策定に着手した、というものです。
イタリア文化会館は、昨年10月、千鳥ケ淵のほとりにオープンしましたが、会館の壁面のほとんどに、
赤を大胆に用いたモダンな建物だったため、周辺住民の方々には、「景観を壊す」として
塗り替えを要望する声があがっていました。
私は、所属する団体のMLで、この問題を知ったのですが、TBSなどメディアでも報道されておりました。
建物の写真を見たときは、赤い壁面に、建物の角部分は白だったので、
イタリアンカラーだから赤なのかな、と思いました。
でも、デザイナーの意図は、「漆器の赤」だそうです。
漆器は「JAPAN」という意味をもちますし、赤い格子もあしらっているところなどをみると、
親日的なアイデアのつもりだったと思われます。
塗り替えの要望に、イタリア人からすれば、さぞ当惑していることでしょう。
施工された色は、それでも千代田区との協議を繰り返したあと、
当初より抑えた色だということですが・・・
石原都知事もおっしゃるとおり、「日本人の感性とは相いれないもの」であるようです。
赤い壁面といえば、以前、大手カメラやさんが、駅前に真っ赤なビルを建てたため、
住民のクレームで塗り替えたことがあります。
色彩に対する好き嫌いは、人によって違うし、建物は所有権がありますから、
一筋縄ではいかないことが多いようです。
例えば、お隣さんのケバケバしい黄色の壁をなんとかしてほしい、、、と思っても、
「法律でこの黄色はいけないとは書いてない」「じゃ、塗り替えにかかる費用は誰が負担するの?」
となりますよね。まして近所付き合いもあるから、あまり強くは言えないし。
どこに相談して良いものやら。
そこで、まち並みを保存する意識の高い地区などは、景観条例がつくられるようになったわけですが、
条例というのは罰則はないし、「周辺環境に配慮する」と記述されるだけでは、
それほど強制力はないということになります。
私の出身大学も、千鳥が淵のほど近いところにありました。
桜の季節はほんとに奇麗だな~、と散歩した思い出があります。
だから、落ち着いたまち並みの風情を守ろうとした住民の方々のご意見には納得するものがあります。
その反面、イタリア国民の感覚を受け入れてあげられないのもちょっぴり残念です!
これを機に、日本的美的感覚について、ご理解いただけるとよいのですが。
行政のガイドラインの策定もよいけれど、やはり、誰もが色彩環境に気を配り、
コンセンサスをとりながら認め合う世の中であってほしいですね。
*イタリア文化会館ホームページに外観が載っています。
http://www.italcult.or.jp/homepage_GPN.htm




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